「鳴らす事もないから」としばらくは付けようとさえ考えなかったベル。
しかし、道路交通法54条によると自転車にも【警音器】の装着は義務付けられている様子。
いろいろ探すもほとんどがバンドを使いハンドルに固定するタイプの製品ばかり…どうしても見た目に納得できず、ひと手間かかるけどせっかく付けるならと【直付け】に挑戦。
機械工作が得意とはとても言えない私ですが、なんとか取り付けることが出来たのでここに書いてみました。
ベルを購入 ~ユニバーサル スプリング付きベル~
直付けベルとなると種類があまりないのですが、私の好きな京都にあるグランボアさんのオンラインショップにあったベルを購入。(店舗を訪れたことはないのですが、素敵な自転車やパーツばかりでいつか尋ねてみたいと思っております。)
ゴールドのベルは真鍮製(アラヤツーリストへ) シルバーのベルはアルミ製(パナモリへ)
もちろん付属のバンドでステムに取り付けることもできます。
私はバンドがどうしても受け入れられなかったので直付けの準備をすることに。
道具の準備
- 電動ドリル
- 2.8㎜ ドリル刃
- 4.2㎜ ドリル刃
- センターポンチ
- ハンマー
- M5×0.8 組タップ
- タップのハンドル
足りない物はホームセンターで全て揃いました。(この道具たちがこの後いつ活躍するかは分かりませんがとりあえず揃えてしまいましたw)
ステム単体がセオリー 作業は自己責任。
ステムに対して直角に穴を開けたいので基本的にはハンドルを組み付ける前か、後から行う場合はハンドル等を外してステム単体で行うのがセオリーだと思います。
私は2台ともNITTOのステム(NPステムとテクノミックステム)を使用しており、テクノミックのほうはステムをロックしているボルトが干渉したため外しましたが、NPステムに至ってはそのままの状態で完了できました。
精度の高い製品だと思いますので【個体差】のようなものはあまりないかとは思いますが、あくまでも参考程度にしていただき、ご自身で作業される方は愛情をもって自己責任にて行うようお願いします。
覚悟を決めて加工→取り付け!
【1】センターポンチで位置決め
ベルを取り付けたい場所を決めてセンターポンチの後ろをハンマーで軽く一撃!(ハンドルが動くと困るので家族に抑えてもらいました)
【2】2.8㎜→4.2㎜穴あけ
M5のネジ山を切りたいときの下穴は4.2㎜となっていますのでそれを参考に。
いきなり4.2㎜でもいいのかもしれませんが【小さい穴→大きい穴】と聞いたことがあるので2回に分けて、極力垂直になるように開けました。
この穴を開けているときに写真のNPステムは、本体と中心を通るロックボルトの間に隙間があったのでドリルが貫通したのですが(貫通した瞬間にロックボルトにドリルの先端が当たり若干削ってはしまいましたが)テクノミックステムのほうは隙間がなかったようで「なかなか開かんなー」としばらくボルトまで削っていることに気がつかず作業してました。
【補足】 組タップは3本でワンセット!
ドリルで開けた下穴にはもちろんネジ山はありませんので、最初はある程度タップ自体が入るようにタップ本体のネジ山が潰れたような形状になっています。これが先タップ。(写真左)
先タップより潰れた部分が短いものが中タップ。(写真中)
残りが上げタップ。(写真右) ☆先タップ→中タップ→上タップの順番で加工を行います。
【3】M5タップでネジ山を!
ネジは基本【右回し】で締まっていくのでタップもやはり右回しで山を切っていきます。(軽く押さえつけらがらゆっくり丁寧に行いました。)
ネジを切りたい部分がステムの肉厚部分だけなのでそんなに神経質にならなくても良いにかもしれませんが、半回転ほど回したら1/4回転ほど戻してタップを少しずつ馴染ませるイメージで少しずつ進めていく。
細かい傷がつきましたがとりあえず加工できました。
【4】ベルを取り付け
あとは締めすぎない程度に取り付けて完成!
やっぱりバンドがない分スッキリして思った以上に満足のいく仕上がりになりました。
やり直しがきかないのでなかなか踏み切れずにいましたが、更に愛着の沸く2台になりました♪
装着は義務だけど鳴らすシーンは考えて。
自転車は【軽車両】なので、車でいうクラクションと同様の役割があるためベルの装着が義務ずけられています。
ただ、車同様むやみに鳴らしていいという事ではなく
道路交通法 第63条の11
第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。
ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
引用元:警視庁
となっており、上記の内容だと
- 【警笛鳴らせ】の標識がある場合
- 危険防止のためやむを得ない場合 この二点しか鳴らす場面はなさそうです。
自転車は【軽車両】なので原則走行車線は車道の左側となっていますし、やむを得ず歩道を走る場合も歩行者を優先となっています。
通行の邪魔だからと歩行者にベルを鳴らすのは違反の対象になったり、トラブルに発展してしまったケースもあるようなので気をつけたいところです。
最後に。
ツーリスト(ランドナー)には初めから似合うと思っていましたが、クロモリロード(パナモリ)のほうも想像以上にマッチして満足のいくカスタムとなりました。
ベルを検討中の方に少しでも参考になれば幸いです。
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